僧侶の講話は終わり参列者の合掌に送られて退出した。
次は献花となる。
始めに遺族が行う。
次に班からの参列者が行う。
班の人は遺族に準ずる扱いとなっている。
遠くの親戚よりも近くの他人、香典の受け取りと管理を全
面的に任されている立場である。
棺の横の係員から花を受け取る。
そして遺体の上に納める。
遺族の中にはいつまでも棺から離れない人もいる。
この場がほぼ最後の対面となる。
やがて棺が閉じられ出棺となる。
参列者は並んで棺を見送る。
TSさん宅のお隣のKさんは最前列に出ている。
長年のお付き合いがあっただけに後姿は寂しそうだ。
私は後ろの方で見送る。
長いクラクションが鳴って霊柩車は走り出した。
遺族全員が火葬場行のバスに乗り込み始める。
ほどなくバスも発車した。
告別式は、終わった。
~続く~