不二家憩希のブログ

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班での告別式参列。その①

 告別式は翌日の11時の開式だった。
 班の人たちは、開式の1時間前に入場していることが
望まれている。
 これは義務ではないが義務のようなものであり、強制
ではないが、強制のようなものである。
 これが、地域の町内会のご近所付き合いというもので
あろう。
 ゆるゆるの紐で縛られているので、抜けられないこと
はない。
 だが、今まで誰もそうしたことはない。
 この日は、班内からの参列者が増え、私はクルマから
あぶれてしまい、自力で行くことになっていた。
 と言っても大した距離ではなく、片道5分ほどである。
 会場に着くと、クルマ組とほぼ同着だった。
 告別式での班の人たちの、業務は受付での記帳案内
と香典拝受である。
 ほぼこれだけである。
 特に香典拝受は重要な役目である。
 香典泥棒を未然に防がねばならない。
 そのため親戚・知人を名乗る人が言葉巧みに寄ってき
ても、決して香典には近づけないし触らせない。
 香典死守の体制である。
 知人や親戚が担当するよりも、効果がある。
 知人や親戚だと、(ひょっとして自分が知らないだけで
本当に知り合いかも?)と近寄らせる可能性がある。
 後になって実は誰も知らない人だったとなるかもしれな
い。
 だが、そこは班の人だと、余計な配慮は必要ない。
 「あなたは私たちが知らない人だから駄目です」と言い
切れる。
 断固として接近を拒否できるのである。
 多少無礼であっても許される。
 香典死守の体制である。
 この体制は防犯上意味がある。
 告別式も私は、その役目から外れた。
 他の方々が引き受けてくれたのだ。

 ~続く~