不二家憩希のブログ

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班での弔問。その①

 我が家のご近所・つまり町内会の当班では故人が出ると、
班の皆で揃って個人のお宅に弔問に伺うという慣習がある。
 この弔問は逝去の報告があった翌日の午前中に行われ
る。
 時刻は9時か10時といった頃である。
 通夜よりも一足早い。
 その頃には未だ縁故者たちは到着していない。
 故人となったご近所さんに最初に面会するのは、町内の
同じ班の人たちということになる。
 「真っ先にご近所さんに挨拶を」という意味合いが含まれ
ている。
 弔問者は大体各戸一人ずつであるが、故人とかかわりが
深いお宅では複数名が参加する。
 故人の親戚や友人・知人たちが集まり混雑する前の時間
帯に早めに面会しておこうという狙いもある。
 今回の弔問時刻は9時だった。
 私は5分前に家の通りに出た。
 お隣のKさん宅の前には、SIさんが来ていて雑談をしてい
る。
 この時は、皆普段着である。
 TSさんのお宅は、新築されてまだそれほど経っていない。
 まだ新しいお宅のドアを開けて中に入る。
 玄関が靴・履物で埋まる。
 故人はベッドに寝ていた。
 銀色の掛布団がかけられている。 
 遺体は季節柄、腐敗を防ぐため保冷材等で冷やされている。
 その冷気を逃さないように特性の布団のようだ。
 ~続く~