不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

TEさんのお通夜にいった。その➉

 TEさんは、いつも通りの態度だった。
「どうぞ、そちらへ」
 私は言葉に従って部屋に入った。
 和室の6畳間の襖が外され二間ぶち抜きである。
 家具・家財道具類が何もない。
 お通夜のためにどこかへ運び出されたのか?
 私は床を見てみる。
 床には毛足の長いカーペットが敷かれている。
 家具が置いてあったのなら日焼けによる変色や
跡が残っているはずである。
 だが、見たところそれらの形跡が一切ない。
 このお宅では普段からこの状態で部屋を使って
おられるのか?
 どうもそんな感じである。
 部屋に沿った窓際の廊下にもカーペットが敷か
れている。
 そのため6畳間がより広くなっている。
 (6畳+廊下)×2である。
 しかも家具類は一切無い。
 間続きにある玄関ホールにも人は入れられる。
 これで結構なスペースが確保できる。
 これなら、ご自宅でお通夜を行おうという気にもな
るだろう。
 
 ~続く~