不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク~コロンボ以上に変わった男。その⑳

 ピーター・フォークといえば”刑事コロンボ”、これは
世界でも共通した認識である。
 ”刑事コロンボ”は長年にわたり世界中で放送され
続けており、最もお馴染みのある刑事キャラクターの
一人である。 
 フォークが世界中、どこに行っても「コロンボ警部が
来た!」と言われる。
 これは俳優にとって大変な栄誉である。
 だが、これは俳優によってはそうではない場合が
ある。
 俳優が一つの役に固定されたイメージを持たれる
と、役柄を狭めることに繋がり自身のキャリアにとっ
てプラスにはならない、むしろマイナスであると捉え
ることは多い。
 当たり役が重荷になるのだ。
 自分が売れてない頃は(あぁ、早く当たり役が欲し
いなぁ)と思うものであるが、それにも限度があるとい
うことなのだろう。
 そうした俳優は、その役から出来るだけ遠ざかろう
とする。
 インタビューでも、その役の話はNGに指定される。
特に彼の出世役となったハン・ソロについては絶対に
聞いてはいけないことになっている。
 ギネスブックにも世界最長映画シリーズとして載った
男はつらいよ”の車寅次郎の渥美清もそうした悩み
抱えていた。
 渥美は親しい人には、寅さん役はもう辞めたいと漏ら
していたそうだ。
 内心では、もう嫌になっていたらしい。
 しかし、渥美は寅さん役により、地位と名声そしてギャ
ラが保証されていた。
 また”男はつらいよ”は国民的映画と呼ばれ、何より
松竹のドル箱映画でもあり、自分の意思で勝手に辞め
るわけにはいかない。
 渥美は辞めたくても辞められない状況だった。
 渥美は、”男はつらいよ”以外の作品に出る時には、
車寅次郎とは大きくかけ離れた役柄を希望し、寅さんを
連想させるような役柄は絶対に受けなかった。
 あまりの当たり役は、その俳優を苦しめてしまうことに
なるようだ。
 では、フォークの場合はどうだったのだろうか?
 
 ~続く~