不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

現代音楽作曲家・ラウタヴァーラの曲を聴いた。

 先日の日曜日午後6時からのNHK-FM”現
代の音楽”はラウタヴァーラの特集だった。
 ラウタヴァーラとは何か怪獣のような名前である。
 もちろんこれはファミりーネームでファーストネー
ムも入れるとエイノユハニ・ラウタヴァーラ
である。
ると、呪文のようでもある。
 この日本人にはちょっと変わった響きの
名前の作曲家はフィンランドはヘルシンキ
に1928年に生まれた。
 今も存命の作曲家である。
 ヘルシンキにあるシベリウスアカデミー
で学び国の大作曲家シベリウスらも薫陶
を受けている。
 時代的には現代音楽の作曲家ではあるが、
いわゆるメロディの無い現代音楽には進ま
ず、普通に聴いて理解できて楽しめる音楽
を作っている。
 今ではフィンランドでは母国を代表する
作曲家と見なされており、北欧ではグリー
グ、シベリウスらと並ぶ存在と評価されて
いる。
 日本でいうところの人間国宝的な敬意を
もって遇されているようだ。
 私はこのラウタヴァーラは、10年ほど
前にNHK-FMの夏期の特集番組で初めて知っ
た。
 その番組は1週間にわたり日替わりで文
化人・著名人が「私が好きなクラシック」
という題で自らDJを務めて紹介していくと
いうものだった。
 殆どの出演者がモーツアルトやベートー
ヴェンといったよく知られた大作曲家を取
り上げていた。
 だが、そんな中で一人だけ、このラウタ
ヴァーラだけを紹介していた人がいた。
 その方は大学教授かなにかの知識人で
「私はラウタヴァーラが大好きなんですよ」
と語っていた。
 私は聴いていて「おっ、これはなかなか
良いなぁ」と思った。
 私は自分でも聴いてみたくなって、レコ
ード屋さんに行ってみた。
 だが、ラウタヴァーラの盤は扱ってはいな
かった。
 当時はネットも無く店頭試聴機なども無か
った。
 あの分厚い電話帳のようなデータブックで
探して見当たらなかったらそれで終わりだっ
た。
 他には調べようも無かった。
 輸入盤でも事情は同じだった。
 まず、店の人間が知らないのだから、どう
しようもなかった。
 それから、何年も経ってから少しずつラウ
タヴァーラについての知識も増えてきた。
 今ではネットのおかげで、音源そのものを
手軽に聞くことができる。
 以前では想像もできなかったことである。
 この日曜日の”現代の音楽”ではラウタヴ
ァーラ作曲の2曲が放送された。
 YouTubeに全曲版が載っていた。
 曲名は「“カントゥス・アルクティクス”
作品61」である。
 曲中で聞こえる鳥の鳴き声は作曲者自身が
録音したもので、演奏の一部として披露され
ることになっている。
 このあたりが、現代音楽的である。
 この音源は2011年3月にドイツのサン
クト・インベルトで行われた国際ジャズフェ
スティバルでの実況録音である。
 この日のプログラムは「バード」と呼ばれ
たジャズの巨人チャーリー・パーカーへの献
辞として構成されていた。
 確かにこの曲では鳥の鳴き声がよく聞こえ
る。
 ドイツではジャズ・フェスティバルでラウ
タヴァーラが演奏されるのか。
 それだけ皆に親しまれているということな
のか。
 指揮は日本でもお馴染みのクリストファー・
ポッペンである。
 この人も名前が面白い。
 ポッペンである。
 訪欧の名前は愉快な語感のものが多い。
 では、そうぞ。