参加者はどう聞いたのか?
SHさんは会長さんたちの方を向いての発言ではあっ
たが、特に会長さんや町内三役に対してという意味合い
は感じさせなかった。
SHさんとしては、皆の前で「やらない」と明言しておき
たかったのであろう。
ただ、誰もいない空間に向かって「やらない」と言うと、
ちょっとおかしな様子になる。
それで会長さんや町内三役の席に向かって言ったと推
測される。
突然、このような言葉をぶつけられた会長さんたちは
は無反応だった。
反応できなかったのであろう。
話の流れがあった上での発言ではなく、いきなりの「や
らない」宣言である。
瞬時の対応は無理な注文である。
場の空気が冷えていくのを見守るしかない。
と言って「そうですか、了承しました」とも言えない。
気まずさの中で沈黙が続く。
SHさんは、再度口を開いた。
「もうやりませんから」
SHさんとしては念押しのつもりだったのか?
あるいは皆が聞いていない、聞こえていないと思ったの
か。
だが、そう言われてもやはり返答はできない。
そもそも、こうしたことを宴会の場で言い出すことに問題
があるだろう。
SHさんも、内心ではわかっていたのかもしれない。
だが、乾杯後、アルコールが入って判断力が低下してし
まったのかもしれない。
SHさんの発言により宴会ムードは萎んでいったのだった。
~続く~