不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

救急車で運ばれた先が藪医者だったら。

 私は尿管結石で救急車で搬送された。
 付き添いとして、救急車に両親が乗り込んだ。
 後で落ち着いて考えれば、どちらか片方で
よかったとわかるのだが、その時は慌ててい
たそうだ。
 我が家は救急車の待機場所から近いことも
あり、すぐに来てくれた。
 症状を伝えると、救急車は走り出した。
 そして、ほんの数分で救急車は止まった。
 着いた先は、隣の町内の病院だった。
 両親は、そこに着いた時(これは、まずい!
どうしよう?)と思ったそうだ。
 それは、その病院が当地でも有名な藪医者
だったからだ。
 藪では済まないほど酷いのだ。
 藪というような生易しいものではない。
 密林なのだ。
 当ブログで言うところの”ジャングル・ドクター”
なのである。
 おなかがちょっと痛い、といって来院した患者
をすぐに「虫垂炎」だと診断し手術してしまう。
 もちろん、誤診である
 また何かというと病気を大きく見立て、開腹手
術してしまう。
 これも、誤診である。
 しかも、その手術はその病院勤務の医師で行
うのではなく、遠方の医師を呼ぶ。 
 診断も治療も無茶苦茶で、命を失った人は数
知れないと言われている。
 「えぇ~そんなのただの噂だよ」と言われるか
もしれない。
 だが、当地では早くから今で言うところのセカ
ンドオピニオンを実施していた。
 O病院にやむを得ずかかったとしても、すぐに
他の病院を受診する。
 それで、誤診が判明するのである。
 よく新聞沙汰、訴訟沙汰にならなかったな、と
思うのだが、当地では「O病院に行く人の方が
悪い」という認識が行き渡っていたのだ。
 これも一種の自己防衛である。
 私の両親は私がO病院に運び込まれて青くな
ったそうだ。
 二人は(どうしよう!一刻も早くここから連れ出
さねば、大変なことになる)とそればかり考えて
いたそうだ。
 私の治療がどう行われる、とかは既に頭に無
かったそうだ。
 私は運良く尿管結石と正しい診断を下された。
 これは極めて幸運なことである。
 そして私は痛み止めの注射と投薬の処置をさ
れた。
 一方、父は私の治療が始まる前に病院を出て
家に歩いて帰っていた。
 片道歩いて10分ほどの距離なので、すぐに家
に着き、クルマで戻ってきた。
 O病院では「入院しますか?」と言ってきたのだ
が、母が丁重に断った。
 私は父のクルマで家に帰った。
 その数時間後、市民病院で改めて診断を受け
たのだった。
 救急車に連れて行かれた当直の病院が藪医
者だったら?というあってほしくない状況は、現在
でも無いわけではない。
 当地でも他の新たな藪医者が当直指定を受け
ている。
 運の善し悪しは、どこにあるのかということを考
えさせられる出来事だった。
 ちなみに、そのO病院は市内の他の場所に移
転した。
 今では代が代わったのか増毛治療などを目玉
に診療を行っているようだ。
 そりゃ、その方がよかろう。
 人には適性というものがあるのだ。