桜は散り始めていた。
桜吹雪が斜めに空を切る。
青空を背景に桜の花びらが、流れる様子はなかなか
絵になる。
そう言えばこの氏神様には桜の木はあるが、隣の神
社には無いな。
当氏神様は小綺麗さは無い。
だが、今の時期だけは華やかになる。
境内が明るくなる。
桜のおかげである。
自虐的になりかかっていた私には、桜の木の存在の
再認識は嬉しい発見だった。
この日は、1週間後に迫ったお祭りの準備のために役
員が集まっている。
いろいろと準備作業をしている。
軽口が飛び交う。
楽しそうである。
活気があるのは良いことである。
桜は、風が吹く度に散っていく。
お祭り当日まではもちそうにないな。
残念だが、仕方ない。
私は自転車に乗り、家に帰った。