戦前には「ソフトバンクの圧勝」が大半の下馬評だった。
横浜ファンですら、大喜びしつつも驚いている。
さて、この勝利を齎したものは何だったのか?
私は、ソフトバンクの首脳陣の失言が横浜の闘争心を燃え上がらせたという説を支持したい。
2件の失言が報じられている。
10月29日の日本シリーズ第3戦はみずほPayPayドーム福岡で行われた。
DeNAの先発はこの年のペナント13勝・140奪三振(共にセ・リーグ2位)を誇る絶対的エースの東克樹だった。
だが、東は阪神とのCSでの肉離れのケガから復帰したばかりであり、さらにシーズン終盤はやや打たれ気味だった。
そして、ソフトバンク・村上隆行打撃コーチが試合前のコメントで東について「宮城大弥(オリックス)の方が断然いい」と発言した。
この発言は試合前にDeNAサイドの耳に入っており、選手たちを奮起させる材料として働いていた、とされる。
これが1つ目の失言である。
2つ目の失言は以下の通りである。
6回1死一塁の場面で「指笛」が球場内に鳴り響き、マウンド上のDeNA左腕・東克樹が球審にアピール。審判から、「投手が投げる際の口笛はご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます」とアナウンスが球場に流れた。
試合後に小久保監督はこの場面について聞かれ、「よく分からないですね。口笛って何? 指笛? 笑ってしまいましたね。みんなで大爆笑していました」と発言したことがメディアで報じられ、批判の声が集まった。
「指笛を口笛とアナウンスしたことに対して笑ったということで、DeNAをバカにしたわけではないが、東が神経質になっている場面で大爆笑したというのはデリカシーがなかった。あの試合から流れが変わったように感じます」スポーツ紙デスクは、そう語っている。
1つ目の失言は、対戦相手のエースを他チームの投手と比較し貶したもので侮辱と捉えられても仕方ない。
2つ目の失言は、神経を尖らせる場面にベンチ全体が大爆笑したと明かすことにより、(ナメられている)と横浜サイドが受け取った可能性はある。
ナメられて、そのままでいたら、勝負師とは言えまい。
横浜は、大いに奮起したことだろう。
これら2つの失言が無ければ、日本シリーズは戦前の大半の予想通りソフトバンクの勝利、それも圧勝に終わっていたかもれない。
実に口は災いの元である。
以上、野球に詳しくない私が、偉そうに記すことをお許し頂きたい。