私の立場は完全な部外者である。
最初に会った時も「私は異教徒ですが」と名乗った。
異教徒とは何か大袈裟なニュアンスがあるように感じるが、
この言葉が最も適切だと思う。
そんな私を教会長は「よくいらっしゃいました」と迎え入れて
くれる。
こうした教会、寺院は他にもある。
私は割と大胆に初めての教会、寺院に伺う。
心ある宗教家の方々はどのような宗教であっても、私の来
訪を歓迎してくれる。
尤も初対面の時に、その人が歓迎してくれるのか、そうでな
いかは瞬間的にわかる。
私はお呼びでないな、と察すればすぐに退去する。
双方において時間の無駄だからである。
私は開かれた心を持った宗教家としか会う気はしない。
狂信に陥ること無く、他者の信仰を寛容に受け入れている
宗教家である。
こういう宗教家は意外に多い。
内心では(うちの宗教が一番だ!)と思ってはいるのだろうが、
それを他者に押し付けることはしない。
本当に正しいものは、声高に唱える必要がないことを知って
いる人たちである。
自分の信仰に自信があるので、あえて主張することもない。
そうした宗教家の方たちと会って話をさせてもらうことは、実
に大きな収穫がある。
それは楽しいことでもある。