不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

役員反省・慰労会に行った。その⑧

 女性の発言に会長さんの反応は早かった。
 「町内としては、そういうことにまで介入するつもりはあり
ません」
 会長さんははっきりとそう言った。
 「班の中で話し合って決めて下さい」
 さすがである。
 会長としての影響力を使えば、事態は班として好ましい
方向に向かうかもしれない。
 だが、人や組織は依存性を持ちがちである。
 今回の件で会長が乗り出せば、次回また問題が起こった
際に、やはり助力を求めてくることになるであろう。
 「前もやってもらった」
 そう言って訴えれば通ると思っている人が世の中には結
構いる。
 会長の仕事は増えてしまう。
 ただでさえ多忙な会長に負担が増える。
 これも同じ会長に対してだけなら、一度は引き受けたの
だから仕方ないかもしれない。
 しかし、人は会長が交代しても同じ要求をしてしまうもの
だ。
 「○○さんが会長の時にはやってもらった」
 おそらくそういうことを言う人が出てくるだろう。
 前例踏襲を正義と見なし、思考が固まってしまっている
人は、ゴキブリ並みに多く生息している。
 彼らの思うがままにしておくと、組織は硬直化し発展は
おろか維持すらも困難となる。
 会長さんとしては、自分の代に勝手に業務を増やすこ
とは避けたいところであろう。
 「○○さんがやっちゃったものだから」と後の会長たちに
愚痴られてはたまらないのである。

 ~続く~