母子手帳は日本発祥のツールである。
妊娠期から乳幼児の母子の成長過程を記録する前半部
と注意事項や育児知識が中心の後半部で構成されている。
日本では当たり前の存在である母子手帳であるが、最初
は日本だけで使われていた。
その有用性に気づいたインドネシア政府が試験導入し日
本政府も支援に乗り出した。
その後、メキシコやパレスチナ諸国、アジアやアフリカでも
採用国は増え続けている。
多くは発展途上国であるが、今回は先進国ロシアである。
母子手帳の有用性を大いに評価しての導入である。
日本は長い間「モノマネ上手の国・民族」と揶揄され、日本
人もそうした評価を自嘲気味に認めてきた。
たしかにそうした一面もあるが、実はモノマネばかりの国で
もないオリジナル・アイディアもいくつもある。
母子手帳の付与と活用は、その中でも意義のある名案で
ある。
ロシアではその名を「BOSHI-TECHO」とするそうだ。
日本語をそのまま使うのだ。
これは、母子手帳を生んだ日本文化への敬意の表れであ
ると受け取って良いだろう。
BOSHI-TECHOは国際語になリ定着していくことであろう。