不二家憩希のブログ

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日本におけるセレブの意味。

 日本に入ってきている外来語の中には、原語とは
意味が異なってしまっているものがいくつもある。
 近年日本語に定着した”セレブ”という言葉もその
ひとつである。
 セレブとは元は英語のcelebrityからきている。
 celebrity(セレブリティー)を略してceleb(セレブ)
である。
 日本語に混ぜて使う外来語としてはセレブリティー
を用いるよりも、簡略語のセレブが使われることが
圧倒的に多い。
 セレブの方が単語として言葉の流れに入れやすく
リズム感があるからであろう。
 このセレブの英語での意味は”著名人、名士”とい
う意味である。
 より具体的には、有名芸能人、スポーツ選手、売れ
っ子文化人といった人達を指す言葉である。
 特に耳目を集めやすい人、集客力・動員力がある
人という意味合いが強い。
 ”旬の有名人”というニュアンスもある。
 今現在、テレビや雑誌によく出ている人というような
意味である。
 一方、日本でのセレブはどうか。
 日本でセレブと言えば富裕、裕福、金持ち、資産家、
高級と言った意味で使われている。
 英語とは、かなり意味が異なっている。
 誤用と言えるだろう。
 どうして、そうなってしまったのか。
 それは、テレビや雑誌が便利な新語として使いだし
たことによる。
 富裕な、裕福なという形容詞よりもセレブと言った方
が新しい感じがするだろうという点からである。
 マスメディアは、常に「新しい感じ」を求めている。
 真の意味など、どうでも良い。
 新しい感じさえすればOKなのである。
 テレビや雑誌は今も”セレブ”を原語とはかけ離れた
意味を持たせたまま使い続けている。
 マスメディアの無神経さと無知には呆れるばかりである。