私は朝、目が覚めるとラジオのスイッチを入れ
る。
局はコミュニティFMである。
私の起床時刻である4時から5時台には私好
みの選曲の番組が放送されている。
AORと呼ばれる落ち着いた感じのロックをはじ
め、フュージョンやポップスがかかる。
CMも無く、DJのトークも無い。
曲目の紹介も無い。
街の有線放送のような構成である。
今朝も聴いていると、なかなか良い演奏が流
れてきた。
印象的なギターを中心としたフュージョンである。
「おぉ、これは良いなぁ」
ギターの音色やフレージングがスティーリー・ダ
ンとかなり近い。
これはまさしく私のストライクゾーンど真ん中で
ある。
「へぇ~、こんなミュージシャンがいたのかぁ。
何ていうのかな?」
番組では曲目紹介がないので、ネットで調べ
るしかない。
そのためには、前後の曲も頭に入れておく必
要がある。
「黄色いリボン」の前か。これなら探しやすい。
私は起床後、番組のサイトを開いてみた。
オンエアリストを見ていく。
えぇ~と、どれどれ?
その演奏者はラリー・カールトンだった。
なぁんだ、ラリー・カールトンか!
の客演での数々の超絶プレイが知られている。
その音色やフレージングはスティーリー・ダンの
サウンド・カラーを決定づけたと言っても良いほど
である。
道理でスティーリー・ダンっぽい、と思うわけであ
る。
私はラリー・カールトンは大好きなギタリストの一
人ではあるが、何から何まで知っているわけではな
い。
知らない曲や演奏が沢山ある。
その曲が収録されている盤も知ってはいるが、持
ってはいない。
あぁ、また買い物リストに入れる盤が出来てしまっ
た。
新たなミュージシャンとの出会いということにはな
らなかったが、優れたミュージシャンの再認識のき
っかけとなった。
この曲「Lazy Susan レイジー・スーザン」はラリー・
カールトンらしいセンスの良さが光る演奏となってい
る。