不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

気球に乗った兵隊さん。

 NHK-FM「世界の快適音楽セレクション」のパー
ソナリティーであるゴンチチチチ松村さんは、番
組内で時々極めて印象的なトークを展開する。
 5月7日の放送では、こんなことを話していた。
 番組内の「喫茶『謎』のコーナー」で、喫茶店
マスターに扮するゴンザレス三上さんが「君の生
まれてからもっとも古い記憶は何ですか?」と松村
さんに尋ねた。
 これに松村さんは、次のような思い出を話し始め
た。
「家の玄関から東の空を見上げると、気球が見える。
その気球には軍服を着た兵隊さんが乗っていました」
「僕はその光景を何度も見ました」
「日曜日毎に見たんですよ」
 これを聞いた三上さんは、大変驚いた様子だった。
 それも当然である。
 松村さんは1954年生まれなので兵隊さんを見る
という体験はあり得ない。
 それも気球に乗っているのである。
 う~ん、これは一体どういうことなのだろうか?
 おそらく、何かの絵本で読んだりテレビなどで見た
光景が、実際の記憶として居座ってしまったもので
はなかろうか。
 気球そのものは、映像などでよく見かけるものであ
る。
 幼い松村さんが持っていたいくつかの印象がコラー
ジュされてひとつの記憶として出来上がってしまった
のだろう。
 脳は勝手に作業を行ってしまい、記憶を書き換えた
りすり替えたりすることは、よく知られている。
 これはその一例だと思われる。
 それにしても、気球に乗った兵隊さんである。
 ちょっと怖いような気もするエピソードである。