2度のビッグチャンスを拒絶したジェフ・ベックは、自分を主としたソロ活動に専念し、ロックにおけるインストルメンタル音楽の第一人者となった。
レコードもメジャーレーベルからのリリースが途切れること無く続き、ライブの動員も順調だった。
ロック・ギタリストとして成功したと言える。
だが、あえて比較をすればヤードバーズ出身の他のギタリストからすると大きく見劣りする。
エリック・クラプトンはシングルヒットも多く・アルバムも売れているし、キャ大会場でもライブでも埋まる。
ジミー・ペイジは、自分が結成したレッド・ツェッペリンで未曾有の成功を収めた。
この二人共、ベックと比べると収益において何桁も勝る成功となった。
それだけ差がついてベックは嫉妬や焦りは無かったのだろうか?
無かったようである。
ペイジとは晩年まで懇意にしており、雑誌の表紙を共に飾ることもあった。
昔の仲間と経済的格差がついても、気にしない。
これはベックの人格における特異な点である。
こんな人は滅多にいない。