自宅のトイレから出て一歩踏み出したその時、私は足の裏に激痛を感じた。
何かを踏んだ?
ハチに刺されたような痛みである。
私はとっさに足の裏を手で払った。
何を踏んだのか?
見渡すが何も見当たらない。
確かに踏んだ感触があったのだが。
私は尚も床を見る。
トイレのドアはまだ開いている。
一歩出て、ドアを締める際に足の裏に痛みを感じたのだ。
トイレの中も見てみる。
そこには大きいハチが転がっていた。
かなり大きいサイズである。
このあたりのハチでは最大級の大きさである。
私はすぐにトイレットペーパーをもぎ取り、ハチを掴み取った。
ハチは私の手の中でブンブン言っている。
私は玄関から外に放した。
ハチはまっすぐに飛び去って行った。
あぁ、足の裏を刺されたのか。
腫れるなぁ。
しかも、足の裏である。
面倒なことになりそうだ。
私は特に薬を塗ることもなく、そのままにしておいた。
私はハチやムカデに刺されても、薬は使わない。
刺されたら、そのままで治るの待つだけだ。
そして、1時間経った。
だが、足の裏には何も変化が無い。
どういうことだ?
確かに刺されたのだが。
その後も何も変化は無い。
おぉ、これはラッキーである。
私の超強力な免疫力がハチの毒を凌駕したのか?
あるいは、見えざる手の御加護か?
刺されて即座に治癒が開始されたのか?
いずれにしても喜ばしいことである。