私が現在使用中のこの肉体の頭髪については、他にもイジメのようなことはあった。
私が中学生の頃のことである。
従兄弟のお兄さんやお姉さん雑談の中で「ケーキ、お前には○○みたいな髪型は出来ないな」と言われた。
○○とは当時人気のジャニーズ事務所所属のスターのことである。
当時最先端のその髪型は、毛量が少ない私には到底無理である。
見ればそれは誰でもわかることだ。
わかっいながら「絶対、無理」「無理無理」と従兄弟たちは笑っていたのである。
(これはいじめなのか?)
(親戚同士でもいじめをするのか?)
私は判断がつかなかった。
私は、そのスターのような髪型になりたいなどと一瞬でも思ったことはない。
だが、こうして嘲笑されると悲しくなった。
どういう表情をして良いのか、わからなかった。
私は反応の仕方に迷い、結局無反応のままでいた。
私の頭髪に対する批評は、そのためかそれで終わった。
この従兄弟たちは、悪い人ではない。
むしろ善人に入るだろう。
それでも、この程度のイジメに類するであろうちょっかいは出す。
人間の業の深さ、愚かさには果てがない。