元ビートルズのリンゴ・スターが、この7月7日に80歳の誕生日を迎えた。
それに伴い、リンゴからコメントが寄せられた。
上記の記事は75年にあったビートルズ再結成に纏わるエピソードが語られ
ている。
私が注目したのは、その再結成話ではない。
リンゴが付け加えたビートルズ解散時の心境についてのコメントである。
以下引用
また、彼はザ・ビートルズ解散の心構えができていたわけではないと語った。
「誰も、“これで終わりだ”と考え立ち去ったんじゃない。僕は、これが僕らの
最後のアルバムになるんだと思いながらスタジオを後にしたわけじゃない。
僕は全然そんなこと考えてなかった」
引用終わり
あぁ~、やっぱりそうか。
世界中のビートルズ本では、ラスト・レコーディングとなった”アビーロード”
の録音の際に、メンバー全員が(これが最後の録音だから)と思いを込めて演奏し
た、とある。
例外は一冊も無いだろう。
それがビートルズ・エピソードの定説なのだ。
何故そうなったのか?
解散を前にして全力を出し切って別れる、というドラマを想像したいのであ
ろう。
人はドラマチックなことが大好きなのだ。
だが、それは誤りだとリンゴは明言した。
これは重大発言である。
世界中のビートルズ・ファンに衝撃が走ったのであるまいか。
当ブログでは以前にも、このことについて指摘している。
私はそりゃそうだろうなぁ、と昔から思っていた。
老獪なのはビートルズのメンバーである。
事実を知っているにも関わらず、ずっと黙っていたからである。
”解散を目前にしてメンバーが創造力を結集して傑作を作った”というお話の方
がカッコいい、都合が良いと考えていたのではなかろうか?
訂正する気になれば、いつでも出来たのに、それをしてこなかった。
確信犯である。
正直な善人であるリンゴは、それに我慢できず今になって話し始めたのであろう。
リンゴはやはり良い人である。