不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

おびんずる様も閉鎖中。

 次に私が参ったのは、お賓頭盧さまである。

 ”おびんずるさま”である。

 この方は実在した人物で釈迦の高弟で十六羅漢の筆頭である。

 本名は”ピンドーラ・バラドワジャ”と言う。

 ネット上の多くの資料ではバーラドヴァージャとされているが、当ブログでは

バラドワジャとする。

 こちらの方が実際の発音に近いと思われるからである。

 バラドワジャという苗字は現代のインドにもある。

 釈迦在世中の2500年前から続くとは、さすがインドである。

 学者や聖職者を出す家柄のようだ。

 おびんずる様とは”ピンドーラ”を音写し日本にまで伝わって来た名前というこ

とになる。  

 おびんずる様は、釈迦の高弟で獅子吼第一とされ説法に長け、仏教布教に貢献

した。 

 また強力な神通力の使い手だった。

 信者にその神通力を派手に披露し、その行為が他宗教の者から嘲笑された。

 釈迦はおびんずる様を叱責した。

 神通力をみだりに使ってはならない。

 そして、後の世までもこの世にとどまり衆生を救済するように命じた。

 おびんずる様は、以後、他の高弟と異なる扱いを受けている。

 その像は祭壇に祀られること無く外陣や廊下に置かれた。

 あるいはお堂の片隅に、軒先を借りるような形で置かれた。

 香華を献じられること無く、ただ座っている。

 祀られるという様式ではない。

 だが、おびんずる様は今日もなお信仰を集めている。

 病気治しに効くと言う。

 自分の体の不具合箇所と同じおびんずる様の体の部位を撫でると、その不具合が

直るとされている。 

 触れることができる仏像なのである。

 だが、先日のニュースでは、そのおびんずる様に触らないように警告が出された。

 感染防止のためである。

 この寺院ではどうだろう?

 お堂に近づく。

 閉まっている。

 お堂の扉が閉じられている。

 扉には感染防止のための閉鎖である旨の注意書きが貼られている。

 残念、でも当然ではある。

 私はおびんずる様に強い親近感を持っている。

 その処遇やキャラクターなど、他人とは思えないほどである。

 とても共感できる。

 今回の参拝は叶わなかったが、次回は普通に拝したいものである。