曇り空の下、私は自転車で市内を走る。
次の用事先に向かって走る。
この日の陽気は今の時期では穏やかな方だろう。
何より風が殆ど吹いていないことが大きい。
公園の横の通りに入る。
ここは両側を公園で囲まれた通りである。
私は自転車のスピードを抑える。
公園の木が少しずつ春らしく色を変えていく。
桜の木がある。
咲き始めている。
早くも八分咲きの木もある。
今の時点でここまで咲いていると他の木も咲きそろった頃には、花は落ちている
だろうな。
今年の花見は自粛が促されることだろう。
のんびりと花見を楽しむことは出来そうにない。
こんな感じでざっと走りながら眺めるのが精一杯であろう。
私はそれでも満足である。
時節に沿った楽しみ方というものがある。
地味な楽しみ方を工夫する良い機会かもしれない。