時々お邪魔している教派神道の教会に行った。
私は特に信者ではないが時折伺っているのだ。
神前の間の入口近くに小さな机が置いてあり、その上に箱が置いてある。
箱の上には「ご自由にお持ちください」という表示がある。
マスクである。
箱入りのマスクである。
おぉ、このご時世で珍しい。
希少品を気前が良いなぁ。
信者さんのどなたかが寄付してくださったのだろう。
私はこのマスクの存在は前回参拝時に知った。
教会の先生は「不二家さんも、どうぞお持ちください」と仰った。
だが、私は「私はマスクはしないので、要りません」と断ったのだった。
その日家に帰ってから、(やっぱり頂いてくればよかったかな?)と思うように
なった。
知人で花粉症の方がおられるのだ。
(マスクを差し上げればご機嫌が取れるかも?)と考え始めた。
今回はマスクを頂くつもりでの参拝である。
私は先生に挨拶をし、マスクを頂く旨を話した。
理由も上記の通りを話した。
頂くのは3枚とした。
「ビニール袋を持ってきましょうか?」と先生が声をかけてくれた。
私は「結構です」と断った。
「袋持参で来たんです」と付け加えた。
頂く気満々である。
貴重なマスクである。
私は「これで点数が稼げるかもしれません」と冗談交じりで話した。
それにしても、今現在こうしてマスクを寄付してくださる方がおられるとは、思
っても見なかった。
奇特な方がおられるなぁ。
ちなみに、この教会ならびに教団では「○○さんが寄付してくださいました」と
いった告知は一切しない。
神様がご存知なのだから、それで十分だ、ということである。
また、名前を出すことによる諸々の弊害を熟知しているからでもある。
実に清廉にして賢明である。
珍しい教団である。